Limit battle/第80話第80話~悪魔再光臨~修「アレ・・淳兄さんじゃねぇ?」 美雪「従兄弟のお兄さん?」 修「ああ。かなり派手だから解る。多分そうだろ。」 美雪「へぇ~・・」 後ろを走る赤いNSXは修のランエボを抜こうと隣の車線へ変更し、ランエボの横へ並ぶ。 修達にNSXのドライバーの顔が解る。やはり淳であった。 修達に気が付き、口元を緩め笑窪を作り笑い出し、右手で手を振って一瞬にして通り過ぎ、NSXは米粒大まで離れて行った・・ 美雪「あのNSX速いねぇ・・」 修「伊達に400馬力出てねぇよな・・確か、パワーウェイトレシオ数値も3切ってるとかでよ。」 美雪「ホント!?凄いじゃん!」 2人は盛り上がりつつも、目的地のファミレスまで向う。 数十分後、目的地のファミレスが見えて来た。 すると― パウゥゥウウゥッ!! っと警察のサイレン音が鳴る。 修「っげ!?俺何も違反してねぇよ!強いて言うなら車のエアロ位で・・って・・俺じゃねぇか。」 パトカーのサイレンが続く・・と、思いきや、すぐにサイレンが止んだ。それと同時に物凄い打音が鳴り響いた。 美雪「どうしたのかなァ・・?」 修「わかんねぇ・・」 彼は近くに居た人に通りすがりで聞いてみた。 修「あのー、すみません。何があったんですか?」 通行人「それがよ!あの鬼神がこの街の暴走族をシメる為に登場してよ!警察が出て来た所をブ千切れた鬼神が警察に手を上げたんだ とよ!なんでも、標識を根こそぎブッ取ってパトカー4台破壊したとか!」 修「はぁ?何スカそれぇ!?何処のゴ○ラですか?!」 美雪「怖い・・そんな人が居るなんて・・」 そんな怯える美雪の反応を見て修は美雪の手を握り一気に事を進めた。 修「・・心配ないさ。お前には俺が居るから。」 美雪「修君・・」 通行人(おいおい・・アンタ達・・今そんな雰囲気な展開は似合わないよ・・) その後、修達はファミレスに入り楽しい食事と対談を終え、時間が経つにつれ暗くなる外へ出た。 修「・・んッ~!夜の空気って美味いよなァ・・なんつーか・・澄んでるって言うか・・満ちてるって言うか・・こう・・ ゴチャゴチャになってる気持ちとか・・今見たいに気分の良い時の気持ちを一気に高めてくれる感じだ・・。」 美雪「ねぇ、結構哲学的で良く解んないんだけど・・」 修「要するに、もっとお前が好きになれるって気持ちが高まるって事さ」 美雪「・・・!」 彼女は顔が赤くなる。 ???「ふゅ~。兄ちゃん口説くの上手いね。俺にも教えてくれよ。」 修「!?、誰だ?!」 彼は勢い良く振り向いた。 そこには、白いNSXから右腕を出してタバコを吹かしている血染めの特攻服を着る男が居た。 修「!?」 美雪「ひぃ!?」 ???「アッハハハ!そこまで身構えなくて良いよ。俺、アンタ等みたいないいカップルを潰す様なマネだけはしねぇからよ。」 修「と・・ところで、何の用で?」 彼は意を決して話しかけた。 ???「特に用はねぇさ。ただ、お似合いのカップルに一声かけてやっただけの事。俺も今年で26なのに、早く 嫁さん作んねぇとなァとか思っただけさ。」 その男は高らかに笑いだし、車から降りて来た。 ???「俺は市山だ。ちったァ名の知れた・・って・・アレ?お前・・前にあったカヤッチじゃねぇ?」 修「あ!?もしかして大崩で会った市山さん!?」 そう、彼の名前は市山翔希と言う。以前修が香苗と一緒に買い物帰りに出会った男だった。 市山「アハハ!お前だったか!久しぶりじゃんカヤッチ!髪型変わってたから気が付かなかったぜぇ!」 修「市山さんこそ・・オールバックにして髪の毛の色金髪にしてたんで・・」 美雪「修君・・この人・・」 修「え・・あァ、大丈夫。優しい人だよ。こう見えて。」 市山「おいおい、こう見えてって心外だなァ・・ハハ!」 彼はまた大きく笑う。 ―っと・・そこへ何処かの不良が挑発してきた。 不良1「おい!そこのバカップルとオマケ!さっきからうぜぇんだよ!」 不良2「ここらは俺等の縄張りなんだよ!調子こいてんじゃねぇぞぉ!?おぉ!?」 そんな不良達の言葉で下へ顔を埋める市山・・ 不良3「ッハ!そこの族はビビってんじゃねぇかァ!?身体震えてんぞ?バーカ!」 市山「フ・・ッフフフフ・・フハ・・アハ・・エヘ・・雪・・ゴメンよ・・我慢がやっぱり効かねぇや・・!」 目の色が変わり、勢い良く顔を振り上げ、市山の目線は空へ向く! 市山「アーメン・・!」 頭を元に戻し、その鋭い眼光を不良達の方へ向ける。 不良一同「・・・ッヒ!?」 不良達の怯える一瞬の声・・それと同時に3人の不良は蹴り飛ばされた。それは一瞬。 まるで、大きな物で一気に吹っ飛ばされたかの様だ。 修(・・!) 美雪(ッ・・!?) 市山「アハハハハハハハハハハッ!アハハハハハ!」 彼は高らかに笑いながらその喧嘩を売っていた不良達をゴミの様に扱い、最後は3人まとめてコンビニのゴミ箱へ詰め込んだ。 周りで見ていた人達は「ひでぇ」とか「ここまでやるか」などと不良達へと同情していた。 市山「わりぃ。お前達を巻き込む気はねぇから。俺はこのまま消えるわ。また何処かで会おうぜぇ。カヤッチ!えーと・・」 美雪「あ・・綾川美雪です!」 市山「はは!じゃァ、ミユッチ!またな!カヤッチ!ミユッチ!」 彼は走りながら修達に手を振ってNSXに乗り込み、その場を去っていった。 その場はまるで大きな嵐が通り過ぎたかの様だった――― 第81話へ続く。 |